特殊詐欺、高齢者の割合は51.3%。でも被害が減ったわけではない
2025年の特殊詐欺で65歳以上の割合は51.3%でしたが、認知件数は前年比535件増えています。割合と件数の違い、手口別の年代差、家族でいったん連絡を切って確認したい場面をまとめます。
特殊詐欺は「高齢者の被害が多い」という印象があります。
警察庁の2025年の統計では、特殊詐欺の認知件数(法人被害を除く)のうち65歳以上が占める割合は51.3%でした。前年より割合は下がりましたが、65歳以上の件数そのものは増えています。
割合が下がっても、被害は減っていない
2025年の特殊詐欺の認知件数は27,832件でした。「認知件数」とは、警察が被害として把握した件数です。
このうち、65歳以上の認知件数は14,273件。前年より535件増えています。
それでも全体(法人被害を除く)に占める割合は、前年より14.0ポイント下がって51.3%になりました。
理由は、高齢者の被害が減ったからではありません。特殊詐欺全体が増え、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺では、若い年代にも被害が広がったためです。
なお、この51.3%は「特殊詐欺の認知件数(法人被害を除く)のうち65歳以上が占める割合」です。「65歳以上の人の51.3%が被害に遭った」という意味ではありません。
手口によって、被害が多い年代は違う
特殊詐欺を「高齢者の問題」だけで考えると、実態を見誤ります。
2025年は、法人被害を除く認知件数のうち65歳以上の割合が、預貯金詐欺で98.8%、キャッシュカード詐欺盗で98.9%、還付金詐欺で81.1%でした。
一方、架空料金請求詐欺では33.2%です。
また、警察官などを名乗る「ニセ警察詐欺」では、認知件数は30代が最も多く、次いで20代でした。
つまり、「高齢だから危ない」「若いから大丈夫」と単純には言えません。手口によって、被害が集中する年代が違います。
年齢より、「何を求められているか」を見る
家族で共有しておきたいのは、年齢による決めつけよりも、いったんやり取りを止める場面です。
たとえば、
- 警察や役所を名乗る相手から突然連絡が来た
- 「逮捕される」「今日中に」などと急がされた
- 電話やSNSで送金を求められた
- キャッシュカードや暗証番号を求められた
こうしたときは、その場で相手の指示に従わず、いったん連絡を切ります。
警察を名乗る相手であれば、相手から教えられた番号へ折り返すのではなく、自分で確認した警察署の電話番号や警察相談専用電話「#9110」などから確認します。
特殊詐欺は、高齢者だけの問題ではありません。ただし、手口によっては今も高齢者に被害が集中しています。
大切なのは年齢だけを見ることではなく、「誰を名乗り、何を急がせ、何を求めているか」を確認することです。
補足
この記事の「65歳以上51.3%」は、2025年の特殊詐欺について、法人被害を除いた認知件数のうち65歳以上が占める割合です。各年代の人口に対する被害率ではありません。
2026年からは、ニセ警察詐欺が独立した手口になるなど、特殊詐欺の統計上の分類が変更されています。2025年以前と2026年以降を比較するときには注意が必要です。
出典
- 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」(2026年6月5日掲載)。資料1(PDF)の1ページ・5ページを参照。
- 警察庁「ニセ警察詐欺に注意!」— 手口と、通話を切って確認する方法。
- 警察庁「特殊詐欺の認知・検挙状況等について」— 2026年からの分類変更。
いずれも外部サイトです。2026年9月13日に原文を確認しました。