ノート道具を作る

Chrome拡張を入れる前に、ここを確認

Chrome拡張の詳細ページには「権限」と「サイトへのアクセス」という別々の欄があります。自分たちの拡張7本で確かめたところ、7本とも「権限」欄は空で、判断材料は下の「サイトへのアクセス」だけでした。権限の数を数えるかわりに、その範囲が拡張の機能に必要かどうかで見る方法を書いています。

道具を作る 実用的な手順

執筆 k-wada(Legacy Tools)

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この記事の見出し
  1. 「権限」欄は、よく空になる
  2. 同じ文言でも、中身は正反対になりうる
  3. 見るのは数ではなく、その機能に必要そうかどうか
  4. 補足: 検証の範囲と、作る側から見た注意点
    1. 確認した環境
    2. マニフェストからは表示を予測できない
    3. この手順で分からないこと
  5. 参照資料

Chrome拡張を入れてよいか迷ったとき、詳細ページには「権限」と「サイトへのアクセス」という別々の欄があります。自分たちの拡張7本で確かめたところ、7本とも「権限」欄には何も表示されませんでした。判断に使えるのは、下の「サイトへのアクセス」のほうです。

「権限」欄は、よく空になる

Chromeの右上にあるその他アイコンから「拡張機能」→「拡張機能を管理」と進み、対象の拡張の「詳細」を開きます(chrome://extensions を直接開いても同じです)。

7本が使っていた権限は storagescriptingcontextMenusactiveTab の4種類で、このうち「権限」欄に出たものはひとつもありませんでした。公式ドキュメントでも、activeTab<all_urls> の代わりになる一方でインストール時に警告を表示しないと説明されています。

「権限のところに何も書いていないから、たいしたことはしない拡張だ」という読み方は成り立ちません。空になるのは普通のことです。

同じ文言でも、中身は正反対になりうる

「サイトへのアクセス」に出たのは2種類です。表記は画面のまま引用します。

A「アクセスしたウェブサイト上にある自分の全データの読み取りと変更をこの拡張機能に許可します。」開いたページすべてで動きうる、という意味です。7本中4本がこれでした。

B「この拡張機能は、サイト上でユーザーのデータを読み取ったり変更したりできます。ユーザーは、拡張機能がアクセスできるサイトを管理することができます。」こちらは続けてサイトの一覧が出ます。

ただ、同じBでも一覧の中身はまったく違いました。

  • Safe Privacy Mask — 15件のサイトが並び、そのサイトでは自動的に動く
  • Safe Night Check — https://mail.google.com/* の1件だけ
  • Copy & Prep — 一覧が空activeTab だけを使い、常時動くスクリプトを持たないため

文言を読むだけでは足りず、一覧の中身まで見ないと判断できません。

見るのは数ではなく、その機能に必要そうかどうか

範囲が広いこと自体は、問題があるという意味ではありません。送信前に内容を確認する拡張は、仕組みのうえでどのページでも動く必要があります。今回Aだった4本には、自分たちの拡張も含まれます。

逆に、Webページと関係の薄い機能なのに表示がAなら、提供元の説明やプライバシーポリシーを読む材料になります。多いか少ないかではなく、その機能に必要そうかで見るほうが、権限名を覚えるより早く判断できます。

用途が限られている拡張なら、先に範囲を絞る手もあります。Googleのヘルプによれば、「詳細」からサイトアクセス権を「クリックされた場合のみ」「特定のサイト」「すべてのサイト」のいずれかに変更できます。ただし同じヘルプには、VPNやプロキシ設定を介して下位レベルのネットワークアクセスを変える拡張は、権限を変更しても影響を受けないという但し書きもあります。

補足: 検証の範囲と、作る側から見た注意点

確認した環境

  • Chromium(Playwright 同梱ビルド、chromium-1234)。Google Chrome 本体では確認していません
  • Linux(WSL2)、UI言語は日本語
  • 拡張は「パッケージ化されていない拡張機能」として読み込んだもの。ストアからインストールした場合の表示は確認していません
  • 画面の収集は 2026-08-04。対象は自分たちで作った7つの拡張です。中身とマニフェストの両方を把握しているものでないと、画面の表示が何に由来するのか突き合わせられないためです
  • 上の表示Aの日本語文言は、2026-09-12 に Google の公式ヘルプでも同じ文字列を確認しました。ただし選択肢のラベルは、ヘルプが「クリックされた場合のみ」、検証環境の画面が「クリックしたときのみ」で一致していません

マニフェストからは表示を予測できない

作る側から見て意外だったのは、マニフェストの host_permissions を見ても表示を予測できないことでした。Safe Attachment Check は host_permissions をひとつも宣言していませんが、画面は <all_urls> を明示している Safe Privacy Gate と一字一句同じAでした。原因は content_scriptsmatches で、公式ドキュメントも host_permissionscontent_scripts.matches の両方が警告の対象になると書いています。両者の役割分担はManifest V3の構成を整理した記事に書きました。

また、Safe Privacy Mask は30個のマッチパターンを宣言していますが、画面に出たのは15件でした。https://chatgpt.com/*https://*.chatgpt.com/* の両方を書いても、広いほうの https://*.chatgpt.com/* だけが表示されます。一覧の件数が少ないからといって、対応範囲が狭いとは限りません。

この手順で分からないこと

  • その拡張が実際に通信しているかどうか。 権限表示は「できることの範囲」であって、実際の挙動ではありません。通信の有無は別の手順で確かめる必要があり、その記録は安全性を確認する3点の記事に分けて書いています
  • ストアの掲載ページ上の権限表示と、インストール時に出る確認ダイアログ
  • 今回のサンプルは自社7本だけです。「この権限なら安全/危険」という一般的な基準を出せる母数ではありません

参照資料

いずれも 2026-09-12 に参照しました。画面の表示は 2026-08-04 時点のものです。

タグ: Chrome拡張・権限・プライバシー