なぜWebサービスではなく、Chrome拡張にしたのか
Legacy Toolsの道具は、どれもChrome拡張として作っている。技術的に優れていたからではなく、いつも使っているブラウザの中に、安全のための小さな機能を置きたかったから。高齢の両親に使ってほしかったことと、安全を自動化しすぎないという考え方について。

Legacy Toolsの道具は、どれもChrome拡張として作っています。
Chrome拡張を選んだのは、技術的に優れていたからではありません。身近で、インストールが比較的簡単で、普段使っているブラウザの中でそのまま使えるからです。
新しいサービスの使い方を覚えてもらうのではなく、いつも使っているブラウザの中に、安全のための小さな機能を置きたい。それが、いちばんの理由でした。
ブラウザが、入口になっている
メールを読むときも、買い物をするときも、調べものをするときも、入口になるのはブラウザであることが多いと思います。
もしWebサービスとして作っていたら、使う人には、専用のサイトを覚えてもらい、必要なときにそのサイトを開いてもらい、文章やファイルを移してもらうことになります。場合によっては、アカウントも作ってもらうことになります。
安全のための道具であっても、使うまでの手数が増えるほど、日常的には使われにくくなります。
Chrome拡張なら、一度インストールしておけば、いつものブラウザの中で、必要なときに動きます。
両親に使ってほしかった
高齢の両親にも、インターネットを避けるのではなく、安全に使い続けてほしいと思っていました。
危険なことがあるからといって、利用を禁止したり、すべての操作を監視したりしたいわけではありません。メールを送る前や、個人情報を入力したときに、少しだけ立ち止まれる仕組みがあればいい。
普段の操作を大きく変えず、必要な場面だけ確認できる。その形として、Chrome拡張が合っていました。
安全を自動化しすぎない
目指しているのは、利用者の代わりにすべてを判断する仕組みではありません。
送信を強制的に止めたり、入力した文章を勝手に変更したりするのではなく、本人が気づいて判断できるようにする。「危険を完全に防ぐ」というより、「見落としに気づくきっかけを置く」という考え方です。
これは、Legacy Toolsで作っている道具に共通する考え方でもあります。
両親だけの問題ではなかった
操作を間違えたり、確認を飛ばしたりするのは、高齢者だけではありません。
急いでいるとき、疲れているとき、夜遅いとき、慣れた操作を繰り返しているとき。誰でも、見落とすことがあります。
両親を思い浮かべて考えた仕組みは、自分自身にも必要なものでした。
Chrome拡張が、Webサービスより常に優れているわけではありません。複雑な処理や大きな機能には、Webサービスのほうが向いている場合もあります。
ただ、今回作りたかったのは、新しい場所へ利用者を呼ぶサービスではなく、いつものブラウザの中に置けて、普段の操作を大きく変えず、必要なときだけ少し確認できる、小さな道具でした。
だから、WebサービスではなくChrome拡張を選びました。